外壁塗装で用いられることが多いウレタン塗料。「シリコン塗料」「フッ素塗料」などと比べてコストパフォーマンスが高く色数も多いため人気の高い塗料ですが、今回はそんなウレタン塗料についてメリットやデメリットなど解説したいと思います!
ウレタン塗料とは?
ウレタン塗料は「ポリウレタン(ウレタン系樹脂)」メインとする塗料で、主に外壁や家具、車などの塗装に使用されています。
外壁塗装といえば「ウレタン塗料」が主流でしたが、近年ではウレタン塗料より耐久性が高い「シリコン塗料」が外壁塗装の主流になりました。
しかし、現在でも外壁塗装にウレタン塗料を利用することがあります。
ウレタン塗料の魅力は「低価格で数多くの種類があること」です^^
ウレタン塗料の種類
ウレタン塗料は大きく分けて、水性と油性の2種類あります。
水性塗料 | 油性塗料 | |
---|---|---|
費用 | 安い | 高い |
臭い | 少ない | 強い |
耐久性 | 低い | 高い |
水性塗料の特徴
水性塗料は水で薄めて使う塗料です。
油性塗料と比べると、価格が安い傾向がありますが、その分耐久性が低くなります。ツヤが落ちやすいというデメリットもあるので注意が必要です。
油性塗料の特徴
油性塗料はシンナーなどの溶剤で薄めて使用するため、水性塗料と比較して臭いがきつくなります。
油性塗料はさらに溶剤1液型と溶剤2液型に分類されています。
1液型がシンナーなどを入れて使用するのに対して、2液型は主剤と硬化剤に分かれていて、使用直前に混ぜ合わせ、硬化剤と反応させることで強固な塗膜を作ります。
その結果、2液型は1液型よりも使用できる場所が多かったり、耐久性や塗装性に優れていたりと塗料として有用ですが、作り置きができないなどの理由から近年は使用されなくなっています。
ウレタン塗料の使用場所は?
ウレタン塗料は主に車や住宅の塗装に使われています。
ウレタン塗料は木材・塩ビ素材・鉄など幅広い下地に塗装可能なため、雨どい等の付帯部や木部・鉄部の塗装などによく使われています。
またベランダや屋根の防水によく使われます^^
また車や住宅以外では、ギター・バイク・食器・家具などにもウレタン塗装がよく用いられます。オイル塗装やラッカー塗装に比べて汚れや水分に強い塗膜が形成されるため、とくに家具などに人気です。
ウレタン塗料とほかの塗料の違い
ウレタン塗料以外にも、外壁塗装でよく使用される塗料としてアクリルやシリコン、フッ素などがあり、かなりグレードに差があります。
塗料の種類 | 施工費(1㎡あたり) | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1,000~1,500円 | 3~8年 |
ウレタン塗料 | 1,500~2,000円 | 5~10年 |
シリコン塗料 | 2,200~3,200円 | 10~15年 |
フッ素塗料 | 3,800~6,500円 | 12~20年 |
最もグレードの低いアクリル塗料は、耐用年数が5年〜8年程度と耐久性が低く、そのため費用はあまりかからずに済み、1平方メートルあたりの単価は1,000円~1,500円です。
ウレタンよりもグレードの高いシリコンは、耐用年数が10年〜15年程度で、1平方メートルあたり2,200円~3,200円程度。ウレタン塗料と同じく高級感のある仕上がりが特徴です。
しかしウレタン塗料に対して付着力が悪いなど、扱いにくさもあります。
最上級のグレードあるフッ素になると、その耐久年数はアクリルの2倍以上と耐久性が極めて高く、費用も1平方メートルあたり3,800円~6,500円と高額になります。
耐熱性が高い反面、ウレタン塗料に比べてクラックが起きやすいという特徴もあります。
ウレタン塗料のメリット
塗膜に弾性があり、ひび割れや変形に強い
ウレタン塗装の塗膜は柔らかくて弾性があるので、乾燥後もひび割れしにくい塗膜になります。
弾性とは、衝撃が加わった際に戻ろうとする力のことで、スポンジやゴムといった素材をイメージしてください!
通常、塗料を塗装すると、どうしても経年劣化でひび割れが起きてしまいます。
しかし、ウレタン塗料には特に強い弾性もあるので、こうしたひび割れや変形に対して強いと言えます。
一方、シリコンやフッ素だと耐久性は高いものの塗膜は固くい仕上がりのため、ひび割れに強くありません。
塗料の価格く、高級感ある外観に仕上がる
アクリル塗料に次いで安いウレタン塗料ですが、ウレタン塗装した外壁には美しいツヤが生まれ、高級感のある仕上がりになります。
光沢のある仕上がりが好きではない場合は、つや消し剤を混合してマットな仕上げにすることも可能です。
また高級家具の仕上げや光沢を出したいときによく使われます。
扱いやすく、メンテナンス性が高い
ウレタン塗装は一昔前までは主流だった工法なので、実績が多く優秀な塗料が各メーカーから発売されています。
また、塗料自体の扱いが簡単なので、簡易補修程度なら素人のDIYでも対応可能です。
その弾性から、ひび割れや変形がしにくいので、メンテナンスが簡単なのも大きなメリットです。塗り替えも比較的手間がかかりません。
塗装可能な素材が多い
ウレタン塗料は下地との密着性が高いため、比較的幅広い素材に塗装可能です。
とくに、鉄部・木部・塩ビ部などの塗装にはウレタン塗料がよく用いられます
塗料のバリエーションが豊富
よく使われる塗料ということもあり、さまざまな種類の塗料が販売されています。
このカラーが必要といったときでもウレタン塗料なら間違いなく見つかるでしょう。
ほかにも、用途ごとに性能を高めた塗料があるなど、選択肢は豊富です。
ウレタン塗料のデメリット
コストパフォーマンスで劣る
外壁をウレタン塗装した場合の耐用年数8~12年で、現在主流であるシリコン塗装の耐用年数10~15年や、フッ素塗料の15~20年と比較すると見劣りしてしまいます。
耐久性が低く、変色に弱い
ウレタン塗装した面は、シリコン、フッ素などに比べて紫外線の影響による変退色がやや起こりやすいのがデメリットです。
また、ウレタン塗料は黄色く変色しやすいともいわれています。
防汚性で劣る
ウレタン塗料の塗膜は、シリコン塗料に比べて汚れがつきやすいという欠点があります。
特にツヤ消しタイプは汚れが目立ちやすいので注意が必要です。
近年では「低汚染性」という機能のついたウレタン塗料があるので、ウレタン塗装をする場合にはこちらを選ぶとよいでしょう。
塗装作業中の水気に弱い
ウレタン塗装で使用される硬化剤は水と反応しやすいため、雨上がりや湿度が高い時期に塗装すると、性能が落ちやすい塗膜になってしまうおそれがあります。
ウレタン塗装がオススメな場所は?
ウレタン塗装は、現在主流の塗装方法に比べて費用が安いかわりに、耐用年数も少し短いのが特徴です。
そのことから
- 塗装費用をとにかく安くおさえたい場合
- 10年前後で住まなくなる建物の塗装の場合
- 雨樋や水切り板金などの塗装に使う場合
といった、費用の安さが優先したり、耐用年数と重視しない場合、主要部分ではない箇所に使う場合はウレタン塗装が最適と言えます。
ウレタン塗装が向いていない場合
以下のような場合はウレタン塗装は向いてないといえます。
- これからも長く住む家の塗装の場合
- ウレタン塗料へのこだわりがない場合
ウレタン塗装はシリコン塗装などに比べてコストパフォーマンスで劣っています。
シリコン塗装は工事費用が約1割ほど高くなりますが、次に塗装するまでの間隔が空くため結局はお得になります。
シリコン塗料についてはこちらも記事もぜひご一読ください^^
今回はウレタン塗料のメリットやデメリットを解説しました。
扱いやすく高級感もあるウレタン塗料は、とても優れた塗料です。
外壁塗装をする際には、ぜひご検討くださいね!